「LOOP/ループ-時に囚われた男-」を観た感想 そこまでループな感じじゃない

 ハンガリー映画の「LOOP/ループ-時に囚われた男-」を観た感想です。

 本ブログでは、作品のネタバレを含みますので未視聴の方はご注意ください!

  • 全体感 60点/100点
  • シナリオ 55点
  • 緊張感 70点
  • ループ感 60点

 詳細な情報がうまく見つけられなかったのですが、本作は2018年公開のハンガリー産の映画です。ループものはできるだけネタバレなしで観たかったので、何も調べずに観始めたところ聞きなれない言語が飛び交っていたので、どこの国??って思いながら観ていました。

 本作は作品紹介などやタイトルにもある通り、同じ時間をグルグル繰り返すいわゆるループもので、自分はループを取り扱った作品が大好きです。
 例えばオール・ユー・ニード・イズ・キルプリデスティネーションバタフライ・エフェクトトライアングルなどなど、この辺りは考察し出すとキリが無いものもあったりして観た後もアレコレ考えるだけでおもしろい作品が多いですね。またこれらも感想書いていきたいと思います。

 さて、本作の感想ですが、
正直観終わってみての感想としては、ループものという感覚よりは通常のサスペンス寄りな印象を受けました。設定上もちろんループものではあるものの、あまりループを活かした演出というか「あぁ、、、抜け出せない。。。」というループもの特有の感覚は薄い作品なので、LOOPというタイトルじゃない方が良いのでは?というイメージです。
 ループものでスリラーなものは「トライアングル」の方が、演出的には圧倒的に上手だった印象です。
 ただ、けっこう引き込まれる作品ではありあっという間に観終わってしまって、総評するとおもしろかったと思います。

良かったところ

  • ループものであるということ ループものを題材に扱った作品はそこまで多くないので貴重ですね。やはり演出やシナリオに矛盾が発生しやすく、こういうテーマ自体が非常に難しい作品だと思いますが、こういう作品を作っていただけることに感謝です。2周目?以降はやはり「あーこのシーンがあのシーンとつながっていくんだなー」というのがわかっていくのはループものの醍醐味ですね。
  • 少ない材料で良く調理されている 本作は登場人物と出てくる場所が極端に少ないのですが、ループ単位でそれぞれ役割がきちんと表現されていて、最終的にどう終わるのかはけっこう気になる感じで作品が展開されていました。上記で書いていた2周目?という表現になるのですが、よくあるループものでは「あ、ここでループしてるな」というのがわかる表現になりますが、本作では同じ主人公が同じ時系列のまま進んでいくので、他の作品とはちょっと違う良い演出がされていたように感じました。

好きじゃなかったところ

  • 矛盾というか違和感が多い ループものなのか1本道のストーリーなのかが結局わかりづらかった。主人公をアダムとして観たとすると、一番最初にパンを恵んでいたアダムとハッピーエンドを迎えたアダムはおそらく別の人物のはずなのに、それでいいのか?感がすごく残ります。一番最初に死んでしまったアダムが実は最後のアダムだった?なら辻褄が合うようにも感じますが、そうだとすると本作の描写ではだいぶわかりづらいなーという感じですね。しかも一回ループしている感のある演出がありますが、その説明やなぜその減少が起こったかには一切触れないまま話が進むので、普通のサスペンスともちょっと違ってどっちで捉えてもシコリが残る感じでした。
  • 伝えたかった内容がわかりづらい これは自分の解釈力不足といわれてしまうとそれまでですが。。。上記で挙げたループものはなんとなくそれぞれ伝えたいメッセージや魅せたいメッセージというのを感じ取れたような気がするのですが、本作は観終わってからもしっくりきていないままの状態です。「子供ができたことを意識して、幸せな家庭を築いていけるように改心しました」、で合ってますかね・・・という印象で、それを伝えたかった作品というのともちょっと違うような。。。という解釈に困る作品でした。

 作品の時間自体が短いので、またどこかのタイミングでもう一度観て「あーこういうことだったのかー」という納得感が得られたらいいか、という感じでした。

 ループものが好きな方は是非一度視聴してみても良いかもしれません。こちらからどうぞ〜

シェアする